IPv6の高速インターネット回線を契約したのに遅い!というお悩みを解決



※この記事は2018年に公開した過去記事を元に、2026年現在のIPv6環境に合わせて情報を加筆・リライトしたものです。

今回は「速いと評判のIPv6回線を契約したのに全然速くない!」という事例についてご紹介します。同様のケースは非常に多く、原因のほとんどがルーターの設定ミスかIPv6配信手続きの抜け漏れです。

目次

目次

  1. 現場の状況:有線は普通、無線は壊滅的
  2. 原因①:ルーターがIPv4(PPPoE)接続のまま
  3. 原因②:プロバイダ側のIPv6配信手続き未完了
  4. IPv4とIPv6の違い・なぜIPv6は速いのか
  5. IPv6配信手続きの方法(プロバイダ別)
  6. ルーターのIPv6プラス設定手順
  7. 改善結果と無線LAN速度改善のポイント
  8. よくある質問

現場の状況:有線は普通、無線は壊滅的

お客様宅に持参のPCで速度測定を実施した結果がこちらです。

接続方法 ダウンロード アップロード
有線LAN 23Mbps 32Mbps
無線LAN(11ac) 1.5Mbps 2Mbps

有線でも23Mbpsと、IPv6の本来の速度(数百Mbps)にはほど遠い状況。無線にいたってはADSL時代と変わらない速度でした。

原因①:ルーターがIPv4(PPPoE)接続のまま

ルーターの接続設定を確認すると、PPPoE(IPv4)の設定が入ったままでした。IPv6プラス契約にもかかわらず、古いIPv4方式で接続されていたのです。

なぜPPPoEだと遅いのか

従来のIPv4(PPPoE)接続では、プロバイダの網終端装置(NTE)という設備を経由して通信します。この設備は夕方〜夜の時間帯(17時〜24時頃)に集中してアクセスが集まるため、混雑して速度が大幅に低下します。特に3月〜4月の年度替わりや夏休み期間は顕著です。

原因②:プロバイダ側のIPv6配信手続き未完了

今回の経緯を伺ったところ:

  • 急ぎで契約し、工事は最短日程で依頼
  • プロバイダのレンタルルーターは手配が2週間かかるため、ご自身でルーターを購入
  • 設定は「詳しいお知り合い」に依頼

ここに落とし穴がありました。プロバイダのレンタルルーターを申し込むと同時に、自動でIPv6配信手続きが行われる仕組みになっているプロバイダが多いです。しかし自前のルーターを使う場合は、会員ページから別途IPv6配信の申請が必要です。

お客様の場合、プロバイダのユーザー管理画面を確認すると「IPv6配信:未申請」の状態でした。

IPv4とIPv6の違い・なぜIPv6は速いのか

項目 IPv4(PPPoE) IPv6(IPoE/IPv6プラス)
接続方式 PPPoE(プロバイダ経由) IPoE(インターネット直収)
混雑しやすさ 夜間・週末に遅くなりやすい 混雑しにくい
理論速度 回線速度の影響を受ける ほぼ回線速度が出る
ルーター設定 PPPoEアカウント入力 IPv6プラス対応ルーターが必要
IPv4サイトへの接続 そのまま接続 MAP-EまたはDS-Liteで変換

IPv6配信手続きの方法(プロバイダ別)

主要プロバイダのIPv6配信申請先の例:

  • OCN:マイページ →「IPv6接続サービス」から申請
  • So-net:会員サポートページ →「IPv6オプション」から申請
  • BIGLOBE:会員ページ →「IPv6アクセス」から申請
  • その他:プロバイダのサポートに電話またはチャットで確認

申請から開通まで数日〜1週間程度かかる場合があります(今回は3日でした)。

ルーターのIPv6プラス設定手順(一般的な手順)

IPv6配信が完了したら、ルーター側の設定を変更します。

  1. ルーターの管理画面にアクセス(通常は 192.168.1.1 または 192.168.0.1
  2. 「インターネット接続設定」または「WAN設定」を開く
  3. 接続方式を「PPPoE」→「IPv6プラス」または「IPoE(自動)」に変更
  4. PPPoEのIDとパスワードは不要になる場合が多い
  5. 設定保存後、ルーターを再起動
  6. 速度測定サイト(fast.com、speedtest.net等)で確認

注意: ルーターがIPv6プラス(MAP-E方式)またはDS-Liteに対応している必要があります。古い機種では非対応の場合があり、その際はルーターの買い替えが必要です。

改善結果と無線LAN速度改善のポイント

IPv6プラス接続に切り替えた結果:

接続方法 改善前 改善後
有線LAN 23Mbps 380Mbps
無線LAN(11ac) 1.5Mbps 470Mbps

有線で約16倍、無線で約300倍以上の改善となりました。

速度測定結果
速度測定の実測結果(※仮URL・要差し替え)

ルーター設定画面
ルーターのIPv6プラス設定画面(※仮URL・要差し替え)

無線LANがさらに速くなった理由

無線LANが有線を上回る速度になったのは、11ac(Wi-Fi 5)の5GHz帯の電波状況が良好だったためです。5GHz帯は干渉が少なく、近距離であれば有線に近い速度が出ることがあります。

よくある質問

Q:IPv6プラスに対応しているか確認する方法は?

A:ipv6-test.com などのサイトでIPv6接続の有無を確認できます。また、プロバイダの会員ページや、ルーターの接続状態画面でも確認可能です。

Q:IPv6非対応のサービスはどうなる?

A:IPv6プラス(MAP-E)やDS-Lite方式は、内部でIPv4通信も変換して処理するため、基本的にIPv4のサービスも問題なく利用できます。ただしポート制限がある場合があり、一部のオンラインゲームやVPNで問題が出ることがあります。

Q:設定が難しそう…

A:ルーターのメーカーや機種によって画面が異なります。お気軽にご相談ください。リモートサポートにも対応しています。

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この記事を書いた人

1991年、親に購入してもらったPC-9801DX2と、説明書に記載されていたN88-BASICのトランプのサンプルコードをきっかけにITの世界へ入る。1996年にはLinux環境下でNetscapeを用いたインターネット接続を経験し、HTMLに関心を広げ、初めてのWebサイトを作成。MS-DOSからWindows、Mac、Linuxまで、OSの変遷とともに現場経験を蓄積し、2001年にPCサポート事業を創業。以来25年以上にわたり、地域企業のITインフラを支えている。

現在は、PC・ネットワーク・サーバーなどのITインフラ構築に加え、電気工事士として電気回路の設計・施工、空調工事まで幅広く対応。ソフト・ハードの論理的な課題解決から、配線・電源・空調といった物理的インフラ整備までを一貫して担う。

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